なんで姿勢を良くしなければいけないの

 

ある中三男子に以前、「姿勢を正そうね。」と言ったところ、「何でですか。」と

問い返されたことがあります。長い時間楽に勉強するのに都合がいいからですが、話

を聞いてみると彼の頭の中ではいつの間にか【大人が僕たち子供にいろいろ言うこと

をきかせやすくするためにそのように強いるのだ。】という考えが出来上がってきて

いたようなのです。本当は大人を感心させ率直に意見を述べることができるの

に・・・。気構えが良くなってくるのですから。

学業成績も上位だから構わないでおこう、勉強だけに集中させればいいさなどと

思ったわけではなかったのですが、体が歪めば心もそれに影響されやすくなる

(大きな病気をされてハンディキャップを負ってしまった方は別 精神力が違う)

と説明しても 「どこも悪くないし痛くもないです。フツーです。」と言うばかり。

難問を説明し理解させるよりも大変かも。 「棒のように真っ直ぐにするのでは

ないんだよ。柔らかいままでまっすぐにしてみる。」少し気持ちよくなったのか あ

くびをして表情が和らぎました。静かにしていても行動を起こしやすいのが〔楽な正

しい姿勢〕なのです。❛気をつけ❜の姿勢も同様。

昔の生活の中では日常のところどころで気づかされ注意を受けたりする機会、場面が

多くありました。今 子供が大人と同じような病気に罹るのが珍しくなくなってきた

一つの背景には 〈損か得か かっこいいかどうか テストの点になるかどうか〉

等々あまりにも浅い面だけに目を向けがちの生活形態になったことがあると思われま

す。❛頭の良さ❜の意味合いが違ってきています。人を思いやれない頭の良い人達が増

えているのは悲しいです。

頭脳は心とからだの支えあっての活躍が必要ですよね。世のため人のために頭を役

立てるのなら当然です。塾生にはときおり話すことがあります。自分にはわからない

興味のないことが自分に大きくかかわっていることがあるのです、と。

 

心の硬さを “イイ話を聞いて取る”、のではなくて普段の生活の正しい動作をするこ

とによってほぐれるように試みる。立ち居振舞いとはよく言ったものですね。

こういうことも大切だと思います。

そういえば講習会の初めのころは 、不安のためか見るからに緊張していた生徒が

(かなりの量の宿題をやってきたり質問カードを出すことに慣れてきたようだな) と

思っていたら姿勢の方もこわばりが取れ堂々と座れるようになっていました。

2018.08.09.

 

 

 

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